Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こどもふどき

こども風土記・母の手毬歌

柳田 国男

Lesen Sie こども風土記・母の手毬歌 (こどもふどき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.761 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

一一、新らしい三角

それから竿のさきに穴のあいたものへ繩をとおして、助手が下からさし出すのを、上にいる葺き手が取りあげて、それをもって萱藁を縫いぼくにむすびつけるのが、ちょうど着物を縫うのと同じだった。それでその長い竿を針といい、今でも沖繩などではこの助手の役を針刺しとよんでいる。爺は屋根にあがり婆は下から針をさしたということは、昔話ではまだ語られているが、今日の屋根屋は葺藁をふかく積みかさね、要所要所を手持ちの繩でくくるだけで、もう一針ずつはこんで行くような悠長なことはしない。

一一、新らしい三角

屋根の三角は萱葺きが藁にかわってから、自然にすこしずつとがって来ぬわけには行かない。わたしの生まれた家なども小麦の稈をもちいて、かなりじょうずに葺いてあったが、その角度は関東の古い大きな萱屋とくらべると、気づかずにいられぬほどの鋭角であった。全国をくらべてみると、佐賀県の北海岸地方から、壱岐その他の島々が、ことにとがっているように思うが、ここはあるいは大麦の稈を、つかっているのではないかと思う。斜面が急になれば棟も高く、のぼって葺くのは不便が多いのだけれども、すこしでも長くその屋根をもたせようとするには、こうして雨水を早く流し、藁のあいだに湿気をふくませぬようにすることが必要であった。