Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こどもふどき

こども風土記・母の手毬歌

柳田 国男

Lesen Sie こども風土記・母の手毬歌 (こどもふどき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.761 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

五、臨時食物のある日

近世になってからでも、血気さかんな壮年の中には、まれにそういう男があって、溜食と称して、これも武芸の一つのように、評判にもすればじまんにもしていた。じっさいまた戦国の時代には、急な使いに遠くへやられるとか、もしくは敵の中にひそみかくれているとか、この特技のひつような場合が毎度あった。こんどの大戦でもおそらく経験したことであろうが、なにか食わぬとすぐに弱ってしまうようなのは、活躍する者にとってかなり不便だということが、昔は一般の常識であったゆえに、この溜食のできる人は重んぜられ、またわざわざその練習をする者も、少しずつはあったのである。もっともこれによって食料の倹約などはできず、したがってまた栄養の低下ということもなかった。こんなことのできる人は、むしろ大ていは大食いであった。

五、臨時食物のある日

人が生命をつなぎ養って行くための食物と、人のよろこび楽しみを深くするための食物と、二つははじめから二通りのものであったかと、わたしなどは考えている。これがなくては活きていられぬことは、そうほう少しも甲乙がないにしても、一方はとにかくに毎日の事であるにたいして、こちらは日が定まり季節があり、またその食べかたやこしらえかたに、一つ一つの特徴があった。