Japanische Klassiker mit Furigana
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こどもふどき
こども風土記・母の手毬歌
柳田 国男
Lesen Sie こども風土記・母の手毬歌 (こどもふどき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.761 Zeichen · 278 Bildschirme
そうすると通行人のなかから、荷物はなくて信心の志のある者が、二里でも三里でもお社の方角へ送って行くのである。その協力がつもりつもって、しまいには志したところまでとどいたというのは、たれがしたとも知れないだけに、まことにゆかしい我邦の美風であった。あるいはまた地蔵送りといって、石の地蔵を造って、この方法で遠くへはこぶことが、一時はやったという話もある。これなどは荷馬車が多くなった時代に、主として馬方が篤志ではこんだということで、これにもやはり行くさきが書いてあるのを、読める人がもう多くなったお蔭であった。わたしなども今から二十年ほどまえに、奈良の二月堂に献上するという青竹の束が、あの交通の多い街道の片脇に、いくらもころがしてあるのを見たことがある。川すじや海の上では材木に大きく伊勢木と書いて、山から流したものがよく浮いている。あるいは酒樽に奉納住吉大明神、または金毘羅大権現宝前と書いたのを、海で船頭がひろい上げることもある。いずれも自ら行けない信心者が、おなじ志の者の多いことを信じて、だれともなしにたのみを掛けるので、人とともどもに神を祭ることを、大きな力と思っていた社会でないと、じっさいは思い切ってやれぬことであった。