Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こどもふどき

こども風土記・母の手毬歌

柳田 国男

Lesen Sie こども風土記・母の手毬歌 (こどもふどき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.761 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

そういう中でもためになりまた楽しみになるものを、ついうっかりと聴き流してしまわぬように、わたしなどが若いころから聴きためて、だんだんと深い意味のわかってきたいろいろの昔話のなかで、親棄山というかわった話を一つして見よう。

親棄山とはけしからぬ話、聴くも耳のけがれと思う人もあろうが、これはそういう驚くような話題をだして、まず聴く者の注意をひき寄せようとする手だてであって、じっさいは人に孝行をすすめる話なのである。人によってはまた棄老国ともいうが、この名称は外国からきている。昔々、いつのころとも知れない遠い昔、そうしてまた何処にあるかもはっきりしない、ある一つの国に、親が六十歳になると、山へ棄ててこなければならぬという、とんでもない習わしがあった。それが一人のよい子ども、もしくは心のやさしい者の行いによって、もう永久にそんな事をする者がないようになったという話、その話し方がまた変っていておもしろいのであった。

この話は日本全国にといってもよいほど、ひろくほうぼうの土地に行われていた。もとはおそらくは誰でも一度、大きくなるまでにはかならず聴いたものと思うが、今日はもう知らぬ子が多い。