Japanische Klassiker mit Furigana
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こどもふどき
こども風土記・母の手毬歌
柳田 国男
Lesen Sie こども風土記・母の手毬歌 (こどもふどき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.761 Zeichen · 278 Bildschirme
二人の女兄弟が苧を績んで着物を織ったが、姉さんのほうはたんねんな辛抱づよい気質で、できるだけ糸をほそくして、じゅうぶんな布を織りあげたから、とっぷりと頭から爪さきまで、身をつつむような着物を縫いあげることができた。ところが妹はせっかちで仕事があらいので、苧糸が太過ぎて一反の布になるだけは取れず、それで衣装をしたてたら腰までしかなくて、丸いおしりが丸出しになってしまった。その姉というのが今の酸漿であり、妹はマハツブとなって今でもお尻を出しているという。
マハツブとホオズキとどこがちがうかを、小さいころから見て知っている娘たちは、はじめてこの話を聴いてぷっと吹き出し、またはおなかの皮の痛くなるほど、笑いこけぬ者はなかったことと思う。睡いさかりの人たちは独りではとても夜なべはできない。そのためばかりとも言えないが、冬の夜長になると五、六人以上、じゅんまわりに朋輩の家にあつまってきて、いろいろ話などをしながらにぎやかに苧を績んだ。夜がふけて睡気のさすようになると、たれか年上の者がおかしい昔話をしだして、みんなを笑わせようとしたこともふつうであった。しかし、この話の本来の目的は、ただ苧績み宿の睡気をおい払うためだけではなかったかもしれぬ。