Japanische Klassiker mit Furigana
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こどもふどき
こども風土記・母の手毬歌
柳田 国男
Lesen Sie こども風土記・母の手毬歌 (こどもふどき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.761 Zeichen · 278 Bildschirme
までもう採集せられているのである。その一つは長崎県下、壱岐島のある村に行われていたもの、自分はかりにこれをカセ掛け蚯蚓と呼ぶことにしている。カセという言葉も、今日でははや説明が必要になった。カセは布を織る経糸を束ねたもので、その糸を枠というやや大ぶりな枠にとってから、染めたり色を合わせたり綜たりするので、糸のかんじょうにつごうのよいように、長さのちゃんときまった大きい輪になっていた。それを枠からはずしてのち、曲げて捻って紺屋などにも持って行くのだが、以前は機を織る女がそのままで首に掛けていることもあったらしく、それが大きな蚯蚓の首に白い輪のあるものと似ているので、こんな笑い話もそちこちに伝わったのである。
むかしむかし、二人の女が近いところに住んで、二人ともよく布を織っていた。その一人は仕事が早くあらく、今いっぽうの女は念入りなかわりにおそかった。市の日がきたのに、こちらはまだ機にもかからず、となりの女は糸の太い、目の荒い布を織りあげて、もうそれを着物にして市へ着て出かけた。こちらは間にあわぬので、白い糸を頸にかけ、大きな甕にはいって夫の背に負われ、市の見物に出かけた。