Japanische Klassiker mit Furigana
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こどもふどき
こども風土記・母の手毬歌
柳田 国男
Lesen Sie こども風土記・母の手毬歌 (こどもふどき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.761 Zeichen · 278 Bildschirme
それをぼつぼつと摘まんで食べたのは、客などのきたときのただの慰みであって、飢を凌ぐというのは始めからの目的でなかった。家でも正月だけは集まってこれを食べたと見えて、干柿・榧・搗栗というような、今はお菓子といわない昔の菓子が、三方折敷の上に鏡餅と共にかならず積みあげられる。昆布や山の薯や野老などは木の実でないが、これも早くから菓子のうちに加えられていた。それよりももっとよろこばれたのは白黒の大豆の炒ったの、つぎには蚕豆という大粒の豆などで、わたしたちの小さいころには菓子というものはべつにあって、これらを菓子とはいわなかったが、村の子どもはじっさいはこういうものばかり食べていた。
京都その他の大きな都会に、菓子屋という店のできたのは古いことであるが、最初はただ昔からの菓子、すなわち木の実や豆や昆布や薯を、味よく食べられるようにしたものだったらしい。そこへ砂糖がはいったので、さっそくとそれを利用し、今いう干菓子というものをいろいろと考え出して売ったが、まだしばらくのあいだ、餅団子の類はお菓子のうちには入れなかった。生菓子蒸菓子というような名まえは、上方から西の子どもは知らなかった。