Japanische Klassiker mit Furigana
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こどもふどき
こども風土記・母の手毬歌
柳田 国男
Lesen Sie こども風土記・母の手毬歌 (こどもふどき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.761 Zeichen · 278 Bildschirme
猿ちご問答
猿ちご問答
今は東京市内になった高井戸あたりの子どもが、もとは甲州街道に出て富士登りの道者に、
お撒きやれお道者 御山の天気もよかろうに
と、銭を撒くことをねだり、もし撒かずに行くと後から、風吹け雨降れというような悪口をしたということが、百年ばかり前の紀行に見えている。百年も以前に行なわれていたものならば、古来の風習だろうと即断する人がないとは言えぬが、私には一つの零落の姿としか思われない。見ず知らずの旅人が村を通って、遠くへ物詣りをするような場合がそう早くからあったはずもなく、またどこに行っても見られる出来ごとでもないからである。なにかもとづくところがあったろうとまでは考えられる。しかし少なくともこういういやなことをするようになったのは、別に新たな誘因があったのである。
しかも道行の多い街道筋、ことに大きな神社や霊場に参詣する路では、今も時々は旅客の袂について施しを求める風儀が残っているぐらいで、もちろん江戸近郊だけの特例ではなかった。私などがこれについて思い出すのは『参宮名所図会』にも出ている「さるちご問答」その他、旅人が最初馬鹿にしてかかった路傍の小児から、あべこべに遣りこめられるという話で、わが邦ではこれを西行上人や宗祇法師の逸話として、妙に数多く各地に伝えている。