Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
それを死地へやるのは惜しい。――また、もっと惜しいのは、敵ながら太史慈という人物である。あれは生擒りにして、味方に加えたいと望んでおるのだが」
「それでは、こうしては如何です。――中に火光が見え出したら、同時に三方から息もつかず攻めよせ、北門の一方だけ、わざと手薄にしておきます。――太史慈はそこから討って出ましょう。――出たら彼一名を目がけて追いまくり、その行く先に、伏兵をかくしておくとすれば」
「名案!」
孫策は、手を打った。
陳武の下に、十名の決死隊が募られた。もし任務をやりとげて、生きてかえったら、一躍百人の伍長にすすめ、莫大な恩賞もあろうというので、たくさんの志望者が名のりでた。
その中から十名だけの壮丁を選んで、風の夜を待った。
無月黒風の夜はやがて来た。
油布、脂柴などを、壮丁の背に負わせて、陳武も身軽にいでたち、地を這い、草を分けて、敵の城壁下まで忍びよった。
城壁は石垣ではない。高度な火で土を焼いた磚という一種の瓦を、厚さ一丈の余、高さ何十丈に積みかさねたものである。
――が、何百年もの風雨に曝されているので、磚と磚とのあいだには草が生え、土がくずれ、小鳥が巣をつくり、その壁面はかなり荒れている。