Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
「今日、この議閣に諸君の参集を求めたのはほかでもないが、今となって孫策から、にわかに、伝国の玉璽を返せと云ってきた。――どう答えてやったものだろうか。それについて、各※(二の字点、1-2-22)に意見あらば云ってもらいたい」
その日。
袁術は、三十余名の諸大将へ向って諮った。
長史楊大将、都督長勲をはじめとして、紀霊、橋、雷薄、陳闌――といったような歴々がのこらず顔をそろえていた。
「真面目にご返辞などやるには当りますまい、黙殺しておけばよろしい」
一人の大将がいう。
すると、次席の将がまた、
「孫策は、忘恩の徒だ。――ご当家で養われたばかりか、偽って、三千の兵と、五百頭の馬を拝借して去ったまま、今日まで何の沙汰もして来ない。――便りをしてきたと思えば、預けた品を返せとはなんたる無礼か」と、罵った。
「ウム、ウム」
袁術の顔色は良かった。
諸臣はみな彼の野望をうすうす知っていた。で、一斉に、
「よろしく江東に派兵して、忘恩の徒を懲らすべきである」と、衆口こぞって云った。
しかし、楊大将は反対して、
「江東を討つには、長江の嶮を渡らねばならん。しかも孫策は今、日の出の勢いで、士気はあがっている――如かず、ここは一歩自重してまず北方の憂いをのぞき、味方の富強を増大しておいてから悠々南へ攻め入っても遅くないでしょう」