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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

五

――もういちどその舌の根をうごかしてみろ! ただは置かんぞッ」

あわや剣を抜いて躍りかかろうとするかの血相に、関羽は驚いて、張飛を抱きとめ、

「そう貴様一人で威張るな。いつも貴様が先に威張ってしまうから、俺などの出る所はありはしない」

「ぐずぐず云っているのは、それがし大嫌いだ。やい紀霊、戦場に所は選ばんぞ。それほど、わが家兄の首が欲しくば取ってみろ」

「まあ、待てと申すに。――呂布にもなにか考えがあるらしい。呂布がどう処置をとるか、もうしばらく、家兄のように黙りこくって見ているがいい」

すると、張飛は、

「いや、その呂布にも、文句がある。下手な真似をすると、呂布だろうが、誰だろうが、容赦はしていねえぞ」

と、髪は、冠をとばし、髯は逆しまに分かれて、丹の如き口を歯の奥まで見せた。

五

そう張飛に挑戦されては、紀霊もしりごみしてはいられない。

「この匹夫めが」

剣を鳴らして起ちかけた。

呂布は、双方を睨みつけて、

「やかましい。無用な騒ぎ立てするな」と、大喝して、

「誰か、来い」と、後ろへもどなった。

そして馳け集まって来た家臣らに向い、

「おれの戟を持って来い。おれの画桿の大戟のほうだ」