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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

五

妻の厳氏にいいふくめて、それから、夜を日についで、輿入れの準備をいそがせた。

あらゆる華麗な嫁入り妝匣がそろった。おびただしい金襴や綾羅が縫われた。馬車や蓋が美々しくできた。

いよいよ花嫁の立つ朝は来た。東雲の頃から、徐州城のうちに、鼓楽の音がきこえていた。ゆうべから夜を明かして、盛大な祝宴は張られていたのである。

やがて、禽の啼く朝の光と共に、城門はひらかれ、花嫁をのせた白馬金蓋の馬車は、たくさんな侍女侍童や、美装した武士の列に護られて、まるで紫の雲も棚びくかとばかり、城外へ送り出されてきた。

五

陳珪は、老齢なので、息子の邸で病を養っていた。

彼の息子は、劉玄徳の臣、陳登であった。

「なんだね、あの賑やかな鼓楽は?」

病室にかしずいている小間使いが、

「ご隠居さまには、まだご存じないんですか」と、徐州城を出た花嫁の行列が、遠い淮南へ立ってゆくのを、町の人たちが今、歓呼して見送っているのですと話した。

すると、陳珪は、

「それは大変じゃ、こうしては居られない」と、病室から歩みだし、

「わしを驢に乗せて、お城まで連れてゆけ」と、いって、どうしても肯かなかった。