Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
※水は紅し
一
※水は紅し
一
今朝、賈のところへ、そっと告げ口にきた部下があった。
「軍師。お聞きですか」
「曹操のことだろう」
「そうです」
「急に、閣を引払って、城外の寨へ移ったそうだな」
「そのことではありません」
「では、何事か」
「申すもちと、はばかりますが」
と、小声を寄せて、鄒氏と曹操との関係をはなした。
賈は、その後で主君の張繍の座所へ出向いた。
張繍も、いやな顔をして、ふさいでいたが、賈※(「言+栩のつくり」、第3水準1-92-6)の顔を見ると、いきなり鬱憤を吐きだすようにいった。
「怪しからん! ――いかに驕り誇っているか知らんが、おれを辱めるにも程がある。おれはもう曹操などに屈してはいられないぞ」
「ごもっともです」
賈※(「言+栩のつくり」、第3水準1-92-6)は、張繍の怒っている問題にはふれないで、そっと答えた。
「……が、こういうことは、あまりお口にしないほうがよいでしょう。男女のことなどというものは論外ですからな」
「しかし、鄒氏も鄒氏だ……」
「まあ、胸をさすっておいで遊ばせ。その代りに、曹操へは、酬うべきものを酬うておやりになればよいでしょう」
謀士賈※(「言+栩のつくり」