Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
一挙に、そこを打破って、壁門の内部へ突入した。
――と、こはいかに、内部も暗々黒々として篝の火一つみえない。あまりの静けさに、
「はてな?」
駒脚を止めて見廻したとたんに、ぐわあん! ――と一声の狼火がとどろいた。
「しまった」
曹操は、つづく手勢を振向いて、絶叫した。
「――虚誘掩殺の計りごとだっ。――退却っ、退却っ!」
しかし、もう遅かった。
地をゆるがす鬨の声と共に、十方の闇はすべて敵の兵となって、
「曹操を生捕れ」とばかり圧縮してきた。
曹操は単騎、鞭打って逃げ走ったが、その夜、巽の口で討たれた部下の数は、何千か何万か知れなかった。
ここばかりでなく、偽攻の計を見やぶられたので、西門のほうでも、さんざんに張繍のために破られ、全線にわたって、破綻を来したため、五更の頃まで、追撃をうけ、夜も明けて陽を仰いだ頃、城下二十里の外に退いて、損害を調べると、一夜のうちに味方の死者五万余人を生じていたことが分かった。折からまた、
「荊州の劉表、にわかに兵をうごかし、わが退路を断って、許都を衝かんとする姿勢にうかがわれる」
という凶報は来るし――曹操は、惨たる態で、歯がみしたが、