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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

二

と、たずねた。

猟師にしては、どこか骨柄の秀でたところが見えたからである。

主は、破れ床に平伏して、

「お恥かしい次第ですが、祖先は漢家のながれをくみ、劉氏の苗裔で、自分は劉安と申すものでございます」と、答えた。

その晩、劉安は肉を煮て玄徳に饗した。

飢えぬいていた玄徳主従は、歓んで箸を取った。そして「何の肉か」と、たずねると、

「狼の肉です」という劉安の返辞だった。

ところが、翌朝出発に際し、孫乾が馬を引出そうとして、何気なく厨をのぞくと、女の死骸があった。

おどろいて、主の劉安に、

「いかなるわけか」

と質すと、劉安は泣いて、

「わたくしの愛妻ですが、ご覧のごとく、家貧しく殿へ饗すべき物もありませんので、実は、妻の肉を煮ておもてなしに捧げたわけでございます」と、初めて打明けた。

孫乾からそれを聞いて、玄徳は感傷してやまなかった。で、劉安にこうすすめた。

「どうだ、都へのぼって任官をしては」

すると、劉安は顔を振って、

「思し召はありがとうぞんじますが、手前が都へ行っては、ひとりの老母を養う者がありません。老母は、動かせない病人ですから、どうもその儀は」

と、断った――という。