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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

関羽、張飛はあやしんで、

「いつにもない家兄の急。何故そのように、あわてふためいて、都をば出られるので?」

訊くと、玄徳は、

「今だから、いうが、われ許都にあるうちは、一日たりとも、無事に安んじていたことはない。許都にいた間の身は、籠の中の鳥、網の中の魚にもひとしい生命であった。もし、ひょッとでも曹操の気が変ったら、いつ何時彼のために死を受けようも知らなかった。……ああようやく、都門を脱して、今は魚の大海に入り、鳥の青天へ帰ったようなここちがする」と、心から述懐した。

そう聞いて関羽、張飛は、

「実にも」と今さらの如く、玄徳の心労にふかく思いを打たれた。――無事と見えた日ほど玄徳の心労はかえって多かったのである。

――一方、その後で。

諸軍の巡検から許都に帰ってきた郭嘉は相府に出て、初めて玄徳の離京と、大軍を借りうけて行った事実を知り、

「もってのほか!」と愕いて、すぐ曹操に会い、口を極めて、その無謀をなじった。

「何だって、虎に翼を貸し、あまつさえ、野に放ったのですか。一体あなたは、玄徳をすこし甘く見過ぎていませんか」とまで彼は切言した。

四

「……そうかな?」