Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
四
この劉岱の首などは、とうに引きちぎッてたずさえて来たであろう」と、まぜかえした。
「いや、そうかも知れんて」
張飛が、爆笑すると、玄徳も笑った。関羽も哄笑した。
三人三笑のもとに、縄目のまま、引きすえられていた劉岱は、ひとりおかしくもない顔をしていた。
四
その劉岱のすがたへ、ふと眼をとめると、玄徳は何思ったか、劉岱の縛めを解いて、
「さあ、こちらへ」と、一閣の内へ、自身で案内して行った。
そこには、さきに捕虜とされた王忠が贅沢な衣服や酒食を与えられて、軟禁されていた。
玄徳は、敵の虜将たる二人を、美酒佳肴の前にならべて置いてこういった。
「敵の玄徳に、酒食を饗せられるは心外なりと思し召すやも知れませんが、どうかそんなご隔意はすてて充分おすごし下されたい」
杯をすすめ、礼言を重んじ、すこしも対手を敗軍の虜将と蔑むふうもなく、
「――まことに、この度のまちがいは、不肖玄徳にとっても、あなた方にとっても、不幸なる戦いでした。もともと、自分は丞相から大恩をうけていますし、まして丞相の命は、朝廷の御命です。何でそれに叛きましょうか。常に、折あらば報ぜんと思い、事ありては、かく誤解されている身の不徳を嘆いているのです。