Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
奇舌学人
一
「玄徳にはなんの野心もありません。ひたすら朝廷をうやまい、丞相にも服しております。のみならず土地の民望は篤く、よく将士を用い、敵のわれわれに対してすら徳を垂れることを忘れません。まことに人傑というべきで、ああいう器を好んで敵へ追いやるというのも甚だ策を得たものではあるまいと存じまして」
皆まで聞かないうちに、曹操の眉端はピンとはね上がっていた。烈火の如き怒りをふくんだ気色である。
「だまれ、汝らは曹操の臣か玄徳の臣か。予の丞相旗をかかげ、わが将士を率い、何のために徐州へ赴いたか」
彼はまた左右の武将をかえりみて云った。かくの如く、他国に征して、他国にわが名を辱めた不届き者は、諸人の見せしめ、各営門を曳き廻した上、死罪にせよ、と厳命した。
すると、かたわらに在った孔融が、彼の怒気をなだめて云った。
「もともと劉岱、王忠の輩は、玄徳の相手ではありません。それは、丞相もあらかじめお感じになっていたことかと拝察いたします。しかるを今、その結果を両名の罪にばかり帰して、これを死罪になし給えば、かえって諸人の胸に丞相のご不明を呼び起し、同じ主君に仕える者どもは、ひそかに安き思いを抱かないでしょう。