Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

その声に、家臣たちが、馳けつけてくると、董承は、身をふるわして杖で打てといいつけた。

秘妾は百打たれ、慶童は百以上叩かれた。

それでもなお飽きたらないように、董承は、慶童子を木の幹に縛らせた。そして秘妾の身も後閣の一室に監禁させた。

「疲れたから今夜は眠る」と、ふたりの処分を明日にして自分の室へかくれてしまった。

ところが、その夜中、慶童は縄を噛み切って逃げてしまった。

高い石塀を躍りこえると、どこか的でもあるように深夜の闇を跳ぶがごとく馳けていた。

「見ていやがれ、老いぼれめ」

美童に似あわない不敵な眼を主人の邸へふり向けていった。もとより幼少の時、金で買われてきた奴隷にすぎないから、主従の義もうすいに違いないが、生れつき容姿端麗な美童だったから、董承も身近くおいて可愛がり、家人もみな目をかけていた者だった。

――にも関わらず、慶童は、怨むことだけを怨んだ。その奴隷根性の一念から怖るべき仕返しをこころに企んで、彼はやがて盲目的に曹操のところへ密訴に馳け込んでいた。

二

時ならぬ深夜、相府の門をたたいて、

「天下の大変をお訴えに出ました。丞相を殺そうとしている謀叛人があります」