Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
二
曹操は、心ひそかに、自分と玄徳を比較してみた。そしてどの点でも、玄徳に劣る自分とは思われなかったが――ただひとつ、自分の麾下に、関羽ほどな忠臣がいるかいないか――と、みずから問うてみると、
(それだけは劣る)と、肯定せずにいられなかった。彼の意中のものは、いよいよ熱烈に、
(きっと関羽を、自分の徳によって、心服させてみせる。自分の臣下とせずにはおかん)
と、人知れぬ誓いに固められていた。
二
二夫人の使いをうけた関羽は、わき目もせず寮へ帰って行った。そして内院へ伺ってみると、二夫人は抱き合って、なお哭き濡れていた。
「どうなされたのでござる。何事が起ったのですか」
関羽がたずねると、糜夫人と甘夫人は、初めて相擁していた涙の顔と胸を離し合って、
「オオ関羽か。……どうしましょう。もう生きているかいもない。いっそのこと死のうかと思うたが、将軍の心に諮ってみてからと、そなたを待っていたところです」
と、共々に、慟哭した。
関羽は、おどろいて、
「死のうなどとは、滅相もないご短慮です。関羽がおりますからには、いかなる大難が迫ろうとも、お心やすく遊ばしませ。まずその仔細をおはなし下されい」