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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

「戦果は充分にあげた。勝ち誇って、単独に深入りするのは危ないぞ」

と、文醜も気づいて、日没頃ふたたび、各陣の凝結を命じた。

後方の占領圏内には、まっさきに潰滅した曹操の輜重隊が、諸所に、莫大な粮米や軍需品を置き捨ててある。

「そうだ、鹵獲品は、みなこっちの隊へ運んでこい」

後方に退がると、諸隊は争ってこんどは兵糧のあばき合いを始めた。

山地はとっぷり暮れていた。曹操は、物見の者から、敵情を聞くと、

「それっ、阜をくだれっ」

と、指揮を発し、全軍の豹虎が、ふもとへ降りたと見ると、阜の一端から狼煙をあげさせた。

昼のうち、敗れて、逃げるとみせて、実は野に阜に河に林に、影を没していた味方は、狼煙を知ると、大地から湧き出したように、三面七面から奮い起った。

曹操も、野を疾駆しながら、

「昼、捨ておいた兵糧は敵を大網にかける撒餌の計だ。網をしぼるように、雑魚一尾のがすな」

と、さけび、また叱咤をつづけて、

「文醜を生捕れ、文醜も河北の名将、それを生捕らば、顔良を討った功に匹敵しようぞ!」

と、励ました。

麾下の張遼やら徐晃やら、先を争って追いかけ、遂に文醜のすがたを乱軍の中にとらえた。