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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

――ゆく末、国家のためにならぬから、殺してくれと、家兄玄徳のところへ、曹操から依頼がきている。それでなくても平常から汝はこの張飛から見ると、傲慢不遜で気にくわぬところだ。覚悟をしちまえ」

「ふざけるなっ。貴様ごときに俺が、この首を授けてたまるか」

「あきらめの悪いやつが」

「待てっ、張飛」

「待たん!」

戛然と、二度目の剣が、空間に鳴った。

斬り損ねたのである。

誰か、うしろから張飛の肱を抑えて、抱きとめた者があったからである。

「ええいッ、誰だっ。邪魔するな」

「これっ、鎮まらぬかっ。愚者めが」

「あっ。家兄か」

玄徳は、声を励まして、

「誰が、いつ、そちに向って、呂布どのを殺せといいつけたか。呂兄はこの玄徳にとっては、大切な客分である。わが家の客に対して、剣を用いるのは、玄徳に対して戟を向けるも同じであるぞ」と、叱りつけた。

「ちぇっ。こんな性根の悪い食客を、兄貴は一体、なんの弱味があってそうまで大事がるのか料簡がわからない」

「だまれ、無礼な」

「誰にですか」

「呂布どのに対して」

「なにをっ……ばかな」

張飛は横へ唾を吐いた。しかし玄徳に対しては、絶対に弟であり目下であるということを忘れない彼である。