Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
紀霊は、山東の人で、力衆にすぐれ、三尖の大刀をよく使うので勇名がある。
「匹夫玄徳、なにとて、わが大国を侵すか。身のほどをわきまえよ」
と、陣頭へ出て呼ばわると、
「勅命、わが上にあり。汝ら好んで逆賊の名を求めるか」
と、玄徳も云い返した。
紀霊の配下に荀正という部将がある。馬を駆って、躍り出し、
「玄徳が首、わが手にあり」
と、喚きかかった。
横合から、関羽が、
「うぬっ、わが君へ近づいたら眼がくらむぞ」と、八十二斤の青龍刀を舞わしてさえぎった。
「下郎っ、退けっ」
「汝ごときを、相手になされるわが君ではない。いざ来い」
「何を」
荀正は、関羽につりこまれて、つい玄徳を逃がしてしまったばかりでなく、勇奮猛闘、汗みどろにかかっても、遂に、関羽へかすり傷一つ負わせることができなかった。
戦い戦い浅い河の中ほどまで二騎はもつれ合って来た。関羽は、面倒くさくなったように、
「うおうーッ」
と獅子吼一番して、青龍刀を高く振りかぶると、ざぶんと、水しぶき血しぶき一つの中に、荀正を真二つに斬り捨てていた。
荀正が討たれ、紀霊も追われて、南陽の全軍は潰走しだした。淮陰のあたりまで退いて、陣容を立て直したが、玄徳あなどり難しと思ったか、それから矢戦にのみ日を送って、にわかに、押してくる様子も見えない。