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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

……はあ」

張飛は大きく嗚咽しながらうなずいた。

「われら兄弟三名は、各※(二の字点、1-2-22)がみな至らない所のある人間だ。その欠点や不足をお互いに補い合ってこそ始めて真の手足であり一体の兄弟といえるのではないか。そちも神ではない。玄徳も凡夫である。凡夫のわしが、何を以て、そちに神の如き万全を求めようか。――呂布のために、城を奪われたのも是非のないことだ。またいかに呂布でも、なんの力もない我が母や妻子まで殺すような酷いこともまさか致しはすまい。そう嘆かずと、玄徳と共に、この後とも計をめぐらして、我が力になってくれよ。……張飛、得心が参ったか」

「……はい。……はい。……はい」

張飛は、鼻柱から、ぽとぽとと涙を垂らして、いつまでも、大地に両手をついていた。

玄徳のことばに、関羽も涙をながし、そのほかの将も、感に打たれぬはなかった。

その夜、張飛はただ一人、淮陰の河べりへ出て、なお、哭き足らないように月を仰いでいた。

「愚哉! 愚哉! ……おれはどこまでも愚物だろう。死のうとしたのも愚だ。死んだら詫びがすむと考えたのも、実に愚だ。――よしっ、誓って生きよう。