Japanische Klassiker mit Furigana
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こどもふどき
こども風土記・母の手毬歌
柳田 国男
Lesen Sie こども風土記・母の手毬歌 (こどもふどき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.761 Zeichen · 278 Bildschirme
燕・啄木鳥または魚狗はおしゃれだから、色とりどりの着物や帯を出して、どれにしようかなどと考えているうちに、おくれてしまって親の死目に会えなかった。雀だけはちょうどお歯黒をつけかけていたところで、知らせを受けてすぐに飛んで行ったから、間にあって母をよろこばせることができた。今でも雀の頬っぺたに黒いもののついているのは、そのお歯黒のよごれだが、孝行の徳によって一生のあいだ、米を食べて暮らすことができるのにはんして、燕はおめかしをして家にかえるのがおそくなった罰に、土や虫を食って口をしぶくしているといい、啄木鳥も衣裳だけは美しいが、一日木をつついているので夜になると、くちばしが病めるといって啼く、などというようなおかしい話が多く、もとは大ていの子どもはいちどはこの話を聴いたものであった。
ところが娘が嫁になり母になるころに歯黒めをする風習は、五十年ほど前からなくなって、まだそういう事を聴いていない人があり、あの雀の頬の黒い斑が、銕漿のよごれだという話をしても、笑いたくならぬ者がだんだんと多くなってきた。しかもこの銕漿づけの風習は、京・江戸・大阪をはじめ、大ていの土地の良い家庭には行われていたのだけれども、それでも日本全国を見渡すと、まだすみずみには最初から、そういうことを知らぬ女たちがいくらも住んでいて、この