Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こどもふどき

こども風土記・母の手毬歌

柳田 国男

Lesen Sie こども風土記・母の手毬歌 (こどもふどき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.761 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

愛知県の日間賀島などでは、もとは大小をとわず、すべての草屋根をイホリといっていた。すなわち秋の田の苅穂のいほも同じで、かりの建物ばかりに萱や藁、その他の不用品をつかっていたので、こんな名が今ものこっているのかと思う。

ところがこの草屋根の葺きかたは、中世からこのかたひじょうに進歩した。よその民族の田舎家とくらべても、または素人の仮小屋などとくらべて見てもすぐにわかるが、日本の萱葺きには、たいへんな手のかかった見ごとなものがすくなくない。専門の職工には、技術のすぐれた者が多く、鋏とか、槌とか、こて板とか、その他いろいろの道具の使い方をかんがえ出して、二尺三尺の厚さにはしを切りそろえ、あの美しい屋根の形をつくりだしたのは、空中の彫刻といってもよく、これとくらべあわせると、板葺きはむしろ単調に見える。

東京都下でも多摩川上流の山村、千葉茨城二県の沼沢地方、または奥羽や越後の一部などにも、りっぱな作品がいくつとなくのこっている。建物の大きさからいっても、住心地の上からいっても、また保存年限の長さから見ても、こういうのは、もうけっして苅穂のいほではない。屑屋どころか材料にえらい費用がかかっている。