Japanische Klassiker mit Furigana
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こどもふどき
こども風土記・母の手毬歌
柳田 国男
Lesen Sie こども風土記・母の手毬歌 (こどもふどき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.761 Zeichen · 278 Bildschirme
手桶で水をはこぶ人には、もちろんそんなことはできない。千代能という尼さんは江戸期のはじめ頃に京都にいた人だが、この人が悟りを開いたときに詠んだという有名な和歌がある。
千代能がいただく桶の底抜けて
水たまらねば月もやどらず
すなわちこの人もまだ水桶はいただいていたのである。「松風村雨」という二人の女の舞は、『源氏物語』にもとづいて作ったというが、それが二つの桶を棒の両方にになって、潮を汲みに行くところを舞うのは、絵空事というものである。手桶ができて後ならばバケツというものも考えだされようし、棒で両方に下げる担い桶を、男にかつがせることも始まるであろうが、それがもしふつうであったら、女の頭上運搬はこのように久しくは行われなかったはずである。今となっては、なんだか気のどくな労働のように思われるけれども、近ごろまでこれの行われていた地方では、女の姿勢はすらりとし、足腰の筋肉もよく発達していて、今見る前かがみの内足などは、むしろ小風呂敷のさかんに用いられるようになってからのことだった。物を持ちはこぶ方法は、一般に手から背へ肩へまたは腰へと、なるだけ手を明けておこうとする方針であるのに、この風呂敷包みというものだけは、新たに始まったものとしては、ふしぎに手の自由を制限しようとしているのである。