Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こどもふどき

こども風土記・母の手毬歌

柳田 国男

Lesen Sie こども風土記・母の手毬歌 (こどもふどき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.761 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

つぎの鎌倉という語を、引きあげて前のほうへつけたまでであろう。

其つゥばきだァてのつゥばき

御寺へもォててそォだてた

日が照ェればすゥずみどォころ

あァめが降ゥればやめどころ

にわか雨をさけて、軒の下や大木の蔭に、立ちよって晴間を待つことを、昔の人たちはヤメルといっていた。田舎では今でもそういうかも知れぬが、もう標準語ではヨケルとか何とかいうようになっているから、この言葉は古いのである。ダテというのは質素の反対で、今ならば「ぜいたくな」とでもいうところ、すなわち雨が降っても日が照っても、この椿は土地の人たちのように、ほかに出てあるくことはできないというので、椿の花のうつくしいのを、いつのまにか人のように取扱っているのである。お寺はもと戦国時代といったころには、よく身分のある人の娘や小さな子の、しばらくあずけられて居るところであった。寺の庭は広々として掃除がよくとどき、珍らしい花や植木なども多かったので、椿を人にたとえたということはまだ心づかなくても、これだけを聴いても子どもには興味があった。ただこの歌は二句ずつで話がつぎつぎと移りかわり、切れぎれの小さな絵をならべたようになっているので、つづき話を好む今日の人たちには、少しばかり勝手がちがうかも知れない。