Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
「北門をひらいて突出しろ」
太史慈は将軍台から馳け下りながら、部将へ命令した。そして真っ先に、
「城外へ出て、一挙に、孫策と雌雄を決しよう! 敵は城を囲むため、三方へ全軍をわけて、幸いにも北方は手薄だぞ」と、猛風をついて、城の外へ馳けだした。
火にはおわれ、太史慈には励まされたので、当然釜中の豆も溢れだした。
ところが、手薄と見えた城北の敵は、なんぞ知らん、案外に大勢だった。
「それっ、太史慈が出たぞ」と合図しあうと、八方の闇から乱箭が注がれてきた。
太史慈の兵は、敵の姿を見ないうちに、おびただしい損害をうけた。
それにも怯まず、
「かかれかかれ! 敵の中核を突破せよ!」
と、太史慈はひとり奮戦したが、彼につづく将士は何人もなかった。
その少い将士さえ斃れたか、逃げ散ったか、あたりを見廻せば、いつの間にか、彼は彼ひとりとなっていた。
「――やんぬる哉、もうこれまでだ」
焔の城をふり向いて、彼は唇を噛んだ。この上は、故郷の黄県東莱へひそんで、再び時節を待とう。
そう心に決めたか。
なおやまない疾風と乱箭の闇を馳けて、江岸のほうへ急いだ。
すると後ろから、
「太史慈をにがすな!」