Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
太史慈は毅然として、
「孫郎か、はやわが首を刎ね落し給え」と、いった。
孫策は、つかつかと寄って、
「死は易く、生は難し、君はなんでそんなに死を急ぐのか」
「死を急ぐのではないが、かくなる上は、一刻も恥をうけていたくない」
「君に恥はないだろう」
「敗軍の将となっては、もうよけいな口はききたくない。足下もいらざる質問をせず、その剣を抜いて一颯に僕の血けむりを見給え」
「いやいや。予は、君の忠節はよく知っておるが、君の噴血をながめて快笑しようとは思わぬ。君は自分を敗軍の将と卑下しておらるるが、その敗因は君が招いたものではない。劉が暗愚なるためであった」
「…………」
「惜しむらく、君は、英敏な資質をもちながら、良き主にめぐり会わなかったのだ。蛆の中にいては、蚕も繭を作れず糸も吐けまい」
「…………」
太史慈が無言のままうつ向いていると、孫策は、膝を折って、彼の縛めを解いてまた云った。
「どうだ。君はその命を、もっと意義ある戦と、自己の人生のために捧げないか。――云いかえれば、わが幕下となって、仕える気はないか」
太史慈は、潔く、
「参った。降伏しました。願わくはこの鈍材を、旗下において、なんらかの用途に役立ててください」