Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
あなたも、次の時代に用のないお方だ」
仲翔が長嘆すると、王朗は、激怒して、
「こやつめ、わしの滅亡を希っておるな。目通りはならん。去れっ」と、追放を命じた。
仲翔は甘んじて、国外へ去った。
邸を追われる時、彼はもとより一物も持って出なかったが、平常、籠に飼っていた雲雀だけは、
「おまえも心なき人には飼われたくないだろう」と呟いて、籠のまま抱えて立ち退いた。
彼が王朗に説いたいわゆる時代の風浪は、山野にかくれていた賢人をひろい上げてもゆくが、また、官衙や武府の旧勢力のうちにもいる多くの賢人をたちまち、山林へ追いこんでしまう作用もした。
仲翔もその一人だった。
彼は、黙々と、野を歩いて、これから隠れすむ草廬の地をさがした。
そして、名もない田舎の山にかかると、ほっとしたように、
「おまえも故郷に帰れ」と、籠の小禽を青空へ放した。
仲翔は、ほほ笑みながら、青空へ溶け入る小禽の影を見送っていた――これから生きる自分のすがたと同じものにそれが見えたからであろう。
四
仲翔が放してやった籠の小禽が、大空へ飛んでいた頃、もう下界では、会稽の城と、潮のような寄手のあいだに、連日、激戦がくり返されていた。