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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

岩間岩間に松が多い。やがて、嘯松寺の塔が仰がれた。

「おやじ。どこへ行く」

中軍の門ではさすがに咎められた。陳大夫は、羊を指さしていった。

「韓将軍へ、献上に来たのです」

「村の者か、おまえは」

「いいや、徐州の者だよ」

「なに、徐州から来たと」

「陳珪という老爺が、羊をたずさえて訪ねてきたと、将軍に取次いでもらいたい」

陳珪と聞いて、門衛の部将は驚いた。呂布の城下に住み、徐州の客将だ。しかも先頃、曹操の推薦で朝廷から老後の扶養として禄二千石をうけたという。なにしろ名のある老人だ。

より驚いたのは、取次からそれを聞いた大将の韓暹である。

「何はともあれ会ってみよう」と、堂に迎え、慇懃にもてなした。

「これは、ほんの手土産で」と、陳大夫は、韓暹の家来に羊を渡し、世間ばなしなどし始めた。何の用事で来たかわからない。

そのうち日が暮れると、

「今夜は月がよいらしい。室内はむし暑いから、ひとつあの松の木の下で、貴公と二人きりで、心のまま話したいものだが」と、陳大夫は望んだ。

松下に莚をのべて、その夜韓暹と彼は、人を避けて語った。聴くものは、梢の月だけだった。

「老人は呂布の客将。