Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

と必死に督戦する中軍の令も行われず、全軍、目ざましい抗戦もせず総退却してしまった。

袁術もやむなく、中軍を退いて寿春城の八門をかたく閉ざし、

「この上は、城地を守って、遠征の敵の疲れを待とう」と、長期戦を決意した。

寄手は、浸々と、寿春へつめよせる。

呂布の軍勢は、東から。劉玄徳の兵は西から。

また、曹操は北方の山をこえて、淮南の野を真下にのぞみ、すでにその総司令部を寿春からほど遠からぬ地点まで押しすすめてきたという。

寿春の上下は色を失い、城中の諸大将も、評議にばかり暮しているところへ、またまた、西南の方面から、霹靂のような一報がひびいてきた。

曰く、

「――呉の孫策、船手をそろえて、大江を押渡り、曹操と呼応して、これへ攻めよせてくるやに見えます!」

西南の急報を聞いて、

「なに、孫策が」と、袁術は仰天した。

彼は、先頃その孫策からうけた無礼な返書を思いあわせて、身を震わせた。

「恩知らず。忘恩の賊子め」

しかし、いくら罵ってみても事態はうごかない。

袁術は今や手足のおく所も知らなかった。眼前の曹軍があげる喊の声は、満山の吼えるが如く、背後にせまる江南数百の兵船は海嘯のように彼を脅かして、夜の眠りも与えなかった。