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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

「……丞相」

郭嘉は彼の激色がうすらぐのを待って静かにいった。

「童子も知っていることを改めて申すようですが、むかし漢の高祖が項羽を征服した例を見るに、高祖は決して項羽よりも強いのではありません。強さにかけては項羽のほうがはるかに上でしょう。にもかかわらず、高祖に亡ぼされたのは勇をたのんで、智を軽んじたせいです。それと、高祖の隠忍がよく最後の勝ちを制したものと思います」

「そのとおりだ」

「わたくしごときが、丞相を批評しては、罪死に値しますが、忌憚なく申しあげれば、袁紹の人物と丞相とを比較してみますと、わが君には十勝の特長があり、袁紹には十敗の欠点があります」

といって、郭嘉は指を折りながら、両者の得失をかぞえあげた。

一……袁紹は時勢を知らない。その思想は、保守的というより逆行している。

が――君は、時代の勢いに順い、革新の気に富む。

二……袁紹は繁文縟礼、事大主義で儀礼ばかり尊ぶ。

が――君は、自然で敏速で、民衆にふれている。

三……袁紹は寛大のみを仁政だと思っている。故に、民は寛に狎れる。

が――君は、峻厳で、賞罰明らかである。民は恐れるが、同時に大きな歓びも持つ。