Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
そばで聞いていた陳宮は、もう笑う元気も、怒る勇気もなくなったような、ただほろ苦い唇をゆがめて、
「それもこれも、みな陳大夫陳登父子の謀み事、さてさて首尾よくもかかったり、悔めど遅し、醒れど及ばず。――ああ」
と、横を向いた。
呂布は恨みがましく、はったと眼を天の一方にすえて、
「ううむ、よくもおれに苦杯をのましたな。おれがいかに陳登父子を寵用して目をかけてやったか、誰もみな過分と知っておるところだ。忘恩の悪漢め、どうするか見ておれ」
陳宮は、冷ややかにいった。
「ご主君、ようやくおわかりになりましたか。しかし、これからどうなさいます」
「小沛へ行こう」
「およしなさい。恥をかさねるだけです。――陳登はもう曹操の軍を引入れて、祝杯をむさぼっているに違いありません」
「さもあらばあれ、彼奴らの如き、蹴ちらして奪いかえすまでだ」
猛然先に立って、小沛の城壁の下まできた。
陳宮のいった通り、城頭にはもう敵の旌旗が翩翻とみえる。――そして呂布来れりと聞くとそこの高櫓へ登った陳登が、声高に笑っていった。
「あれ見ろ、赤い馬に乗った物乞いを。飢えたか、何を吠えているぞ。岩石でも喰らわしてやれ」