Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

当時、曹操は、まだ白面の一志士であって、洛陽の中央政府の一小吏に過ぎなかったが、董卓を暗殺しようとして果たさず、都を脱出して、天下に身の置き所もなかったお尋ね者の境遇だった。

それが、今は。

かつての董卓をもしのぐ位置に登って大将軍曹丞相と敬われ、階下にひかれてきた敗将の陳宮を、冷然と見くだしているのであった。

「…………」

陳宮は、立ったまま、じっと曹操の面を、しばらく見つめていた。

(――もし、曹操を、そのむかし中牟の関門で助けなどしなかったら、今日の俺も、こんな運命にはなるまいに)と、その眼は、過去の悔みと恨みを、ありありと語っていた。

「坐らぬかっ」

縄尻を持った武士に腰を蹴られて、陳宮は折れるが如く身を崩した。

曹操は、階の上から、冷ややかに見て、

「陳宮か。ご辺とは実に久しぶりの対面だ。その後は、恙ないか」

「見た通りである。――恙なきや、との訊ねは、自己の優越感を満足させるために、此方を嘲弄することばと受取れる。相変らず、冷酷な小人ではある。嗤うにたえぬことだ」

「小人とは、そちの如き者をいう。理智の小さな眼の孔からばかり人間を観るので、予の如き大きな人物を見損うのだ。