Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
帝は、彼の涙をながめて、怪しまれながら、ふたたび下問された。
「先祖のことを問うに、何故そちは涙ぐむのか」
「――さればにござります」
玄徳は襟を正し、謹んでそれに答えた。
「いま、御勅問に接し、おぼえず感傷のこころをうごかしました。――という仔細は、臣が祖先は中山靖王の後胤、景帝の玄孫にあたり、劉雄が孫、劉弘の子こそ、不肖玄徳でありまする。中興の祖劉貞は、ひとたびは、県の陸城亭侯に封ぜられましたが、家運つたなく、以後流落して、臣の代にいたりましては、さらに、祖先の名を辱めるのみであります。……それ故、身のふがいなさと、勅問のかたじけなさに思わず落涙を催した次第でありまする。みぐるしき態をおゆるし下しおかれますように」
帝は、驚きの眼をみはって、
「では、わが漢室の一族ではないか」
と、急に朝廷の系譜を取りよせられ、宗正卿をして、それを読み上げさせた。
漢ノ景帝、十四子ヲ生ム。乃チ中山靖王劉勝。――勝。陸城亭侯劉貞ヲ生ム。貞。沛侯劉昂ヲ生ム。昂。侯劉禄ヲ生ム。禄。沂水侯劉恋ヲ生ム。恋。欽陽侯劉英ヲ生ム。英……。
朗々と、わが代々の先祖の名が耳をうってくる。