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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

――王道の政治すたれてもはや久しく、天下はみだれ民心は飽いています。覇道独裁の強権がしかれることを世間は待望していると思います」

程※(「日/立」、第3水準1-85-21)のいう裏には、明らかに朝廷無視の叛意がふくまれている。――が、曹操は、それを否定もせず、たしなめもしなかった。

「まだ、早い」

といっただけである。

程※(「日/立」、第3水準1-85-21)がかさねて、

「しかし、今、呂布も亡んで、天下は震動しています。雄略胆才もみな去就に迷い、紛乱昏迷の実情です。この際、丞相が断乎として、覇道を行えば……」

と、なお云いかけると、曹操は細い鳳眼をかっとひらいて、

「めったなことを口外するな、朝廷にはまだまだ股肱の旧臣も多い。機も熟さぬうち事を行えば自ら害を招くような結果を見よう」と、声を以て、彼の声を抑えつけた。

けれど曹操の胸に、すでにこの時、人臣の野望以上のものが、芽を萌していたことは争えぬ事実だった。――彼は、程※(「日/立」、第3水準1-85-21)に口をつぐませて、自分もしばらく沈思していたが、やがて血色の醒めた面をあげ、常の如き細い眸に々たる光をひそめながら独りつぶやいた。