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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

やがて、帝には還御となる。

玄徳も洛中に帰った。その後、彼は一夜ひそかに、関羽を呼んで、

「いつぞやの御猟の節、何故、曹操に対して、あのような眼ざしを向けたか。誰も気づかぬ様子であったからよいが、近頃、其方にも似合わぬ矯激な沙汰ではないか」

と、戒めた。

関羽は、頭を垂れて、神妙に叱りをうけていたが、静かに面をあげて、

「ではわが君には、曹操のあの折の態度に、何の感じもお抱きになりませんでしたか」

「そんなこともないが」

「私はむしろ、わが君が、何で私を制止されたか、お心を疑うほどです。この許昌の都に親しく留まって以来、眼にふれ耳に聞えるものは、ことごとく曹操の暴戻なる武権の誇示でないものはありません。彼は決して、王道をまもる武臣の長者とはいえぬ者です。覇気横溢のまま覇道を行おうとする奸雄です。その野心をはや露骨にして、公卿百官を始め、十万の将士を前に、上を冒し奉り、上を立ちふさいで、自身が臣下の万歳をうけるなどという思い上がった態を見ては、余人は知らず、関羽は黙止しておられません。……たとえ如何ようなお咎めをうけるとも、関羽には忍び難うて、この身がふるえます」