Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
「もったいない御意を……」
董承は、恐懼して、身のおくところも知らなかった。
帝はやがて董承を伴って、殿廊を渡られ、御苑を逍遥して、なお、洛陽から長安、この許昌と、三度も都を遷したあいだの艱難を何かと語られて、
「思うに、いくたびか、存亡の淵を経ながらも、今日なお、国家の宗廟が保たれていることは、ひとえに、御身のような忠節な臣のあるおかげだ」
と、しみじみいわれた。
玉歩は、さらに、彼を伴ったまま大廟の石段を上がられて行った。帝は、大廟に入ると、直ちに、功臣閣にのぼり、自ら香を焚いて、その前に三礼された。
ここは漢家歴代の祖宗を祠ってある霊廟である。左右の壁間には、漢の高祖から二十四代にわたる世々の皇帝の肖像が画かれてあった。
帝は、董承にむかって、
「国舅――。朕が先祖は、いずこから身をおこして、この基業を建て給うたか。朕が学問のために、由来をのべられい」と、襟を正して下問された。
董承は、おどろき顔に、
「陛下。臣に、いささか、おたわむれ遊ばすか」と、身をすくめた。
帝は、ひとしお厳粛に、
「聖祖の御事。かりそめにも、たわむれようぞ。すみやかに説け」