Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
二人は餓鬼のごとく、そこの農家の厨まで、這って行った。袁術は大声でさけんだ。
「農夫農夫、予に水を与えよ。……蜜水はないか」
すると、そこにいた一人の百姓男が嗤って答えた。
「なに。水をくれと。血水ならあるが、蜜水などあるものか。馬の尿でものむがいいさ……」
その冷酷なことばを浴びると袁術は両手をあげてよろよろと立ち上がり、
「ああ! おれはもう一人の民も持たない国主だったか。一杯の水をめぐむ者もない身となったか」
大声で号泣したかと思うと、かっと口から血を吐くこと二斗、朽ち木の仆れるがように死んでしまった。
「あっ伯父上」
袁胤はすがりついて、声かぎり呼んだが、それきり答えなかった。
泣く泣く彼は袁術の屍を埋め、ひとり盧江方面へ落ちて行ったが、途中、広陵の徐というものが、彼を捕えたので、その体を調べてみると、意外な物を持っていたのを発見した。
伝国の玉璽である。
「どうして、こんな物を所持しているか」
と、拷問にかけて問いただすと、袁術の最期の模様をつまびらかに白状したので、徐※(「王+膠のつくり」、第3水準1-88-22)はおどろいて、すぐ曹操に文書をもって報らせ、あわせて、伝国の玉璽をも曹操のところへ送った。