Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
黎陽(河南省・浚県附近)――そこの対陣は思いのほか長期になった。
敵の袁紹と、八十余里を隔てたまま、互いに守るのみで、八月から十月までどっちからも積極的に出なかった。
「はて、なぜだろう?」
万一、彼に大規模な計略でもあるのではないかと、曹操もうごかず、ひそかに細作を放って、内情をさぐってみると、そうでもない実情がわかった。
敵の一大将、逢紀はここへ来てから病んでいた。そのため審配がもっぱら司令にあたっていたが、日頃からその審配と不和な沮授は、事ごとに彼の命を用いないらしいのである。
「ははあ、それで袁紹も、持ちまえの優柔不断を発揮して、ここまで出てきながら戦いを挑まないのであったか。この分ではいずれ内変が起るやも知れん」
彼は、そう見通しをつけたので、一軍をひいて、許都へ帰ってしまった。
――といっても、もちろん後には、臧覇、李典、于禁などの諸大将もあらかた留め、曹仁を総大将として、青州徐州の境から官渡の難所にいたるまでの尨大な陣地戦は、そのまま一兵の手もゆるめはしなかった。ただ機を見るに敏な彼は、
「予自身、ここにいても、大した益はない」
と戦の見こしをつけた結果である。