Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
――徐晃が出て行った」
と、口々に期待して、どっと生気をよみがえらせた。
見れば、いま、中軍の一端から、霜毛馬にまたがって、白炎の如き一斧をひっさげ、顔良目がけて喚きかかった勇士がある。これなん曹操の寵士で、また許都随一の勇名ある弱冠の徐晃だった。
両雄の刀斧は、烈々、火を降らして戦ったが、二十合、五十合、七十合、得物も砕けるかと見えながらなお、勝負はつかない。
しかし、顔良の猛悍とねばりは、ついに弱冠徐晃を次第次第に疲らせて行った。いまは敵せずと思ったか、さしもの徐晃も、斧を敵へなげうって、乱軍のうちへ逃げこんでしまった。
時すでに、薄暮に迫っていた。
やむなく曹操は、一時、陣を十里ばかり退いて、その日の難はからくもまぬがれたが、魏続、宋憲の二大将以下おびただしい損害と不名誉をもって、ひとりの顔良に名をなさしめたことは、何としても無念でならなかった。
すると翌朝、程が、彼に献言した。
「顔良を討つだろうと思える人は、まず関羽よりありません。こんな時こそ、関羽を陣へ召されてはどうです」――と。
それは、曹操も考えていないことではない。けれど関羽に功を立てさせたら、それを機会に、自分から去ってしまうであろう――という取越し苦労を抱いていた。