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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

そのうちに、ある夜、番兵小屋をひきあげて、家にもどろうとすると、途中、物陰からひとりの男が近づいてきて、

「羽将軍。羽将軍……。これをあとでご覧ください」

と、何やら書簡らしい物を、そっと手に握らせて、風のように立ち去ってしまった。

関羽はあとで愕いた。

彼は幾たびか独房の燈火をきって、さんさんと落涙しながらその書面をくり返し読んだ。

なつかしくも、それは玄徳の筆蹟であった。しかも、玄徳は縷々綿々、旧情をのべた末に、

君ト我トハ、カツテ一度ハ、桃園ニ義ヲ結ンダ仲デアルガ、身ハ不肖ニシテ、時マタ利アラズ、イタズラニ君ノ義胆ヲ苦シマセルノミ。モシ君ガソノ地ニ於テ、ソノママ、富貴ヲ望ムナラバ、セメテ今日マデ、酬イルコト薄キ自分トシテ、備(自分のこと)ガ首級ヲ贈ッテ、君ノ全功ヲ陰ナガラ祷リタイト思ウ。

書中言ヲツクサズ、旦暮河南ノ空ヲ望ンデ、来命ヲ待ツ。

と、してあった。

関羽は、劉備の切々な情言を、むしろ恨めしくさえ思った。富貴、栄達――そんなものに義を変えるくらいなら、なんでこんな苦衷に忍ぼう。

「いやもったいない。自分の義は自分のむねだけでしていること。