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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

城門は、内部から開かれた。

「――それっ」とばかり呂布の勢は、潮のごとく入って来た。

張飛は、あれからもだいぶ飲んだとみえて、城郭の西園へ行って酔いつぶれ、折ふし夕方から宵月もすばらしく冴えていたので、

――ああいい月だ!

と、一言、独り語を空へ吐いたまま前後不覚に眠っていたのであった。

だから幾ら望楼の上だの、彼の牀のある閣などを兵が探しまわっても、姿が見えないはずだった。

そのうちに、

「……やっ?」

喊の声に、眼がさめた。――剣の音、戟のひびきに、愕然と突っ立ち上がった。

「しまッた!」

猛然と、彼は、城内の方へ馳けだして行った。

が、時すでに遅し――

城内は、上を下への混乱に陥っている。足につまずく死骸を見れば、みな城中の兵だった。

「うぬ、呂布だなっ」

気がついて、駒にとび乗り、丈八の大矛をひッさげて広場へ出てみると、そこには曹豹に従う裏切者が呂布の軍勢と協力して、魔風の如く働いていた。

「目にもの見せん」と、張飛は、血しおをかぶって、薙ぎまわったが、いかんせん、まだ酒が醒めきっていない。大地の兵が、天空に見えたり、天空の月が、三ツにも四ツにも見えたりする。