Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lisez スウィス日記 (スウィスにっき) de 辻村 伊助 (つじむらいすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 216 275 caractères · 410 écrans
登山の朝
寒さは雪の昨日よりも一層はげしいように思われる、寝室の小さな窓からは、星明りが蒼白く流れ込んで、私達の気息まで、ほーうっと白く見え初めた。風は少しもない、只しーんとした山の奥に、アヴァランシュは、終日、終夜、遠く響いて来た。
私はとうとう一睡もしなかった、只、毛布にくるまって、キチキチ刻む時計の針を気にしながら、寝がえりばかり打っていた。
登山の朝
八月一日はブンデスタークだ、スウィス開国の記念日である。
二階の寝室で眼覚しがチリチリ鳴り出した、腕時計の針はちょうど午前一時を示している、いぎたなく寝込んでしまった近藤君を叩き起して、隣りの室に出ると、上からガイドの連中が下りて来た。外は、山稜にたち切られた空に星が冷たくまたたいて、風は無いが非常に寒い。入り口の水溜りは、無論、厚く凍って歯を磨くどころの騒ぎではない。簡単な食事を無理やりにつめこんで、登山服に身をかためて、扨て一っぷく煙草を吸った上、室の中から、もうロープで数珠つなぎになって、雪の上に下りた。ちょうど午前二時である。
カチカチに凍りついた雪を踏みしめて、サック、サック、一足ごとに杖をついて、星明りに蒼く光る雪の斜面にかかった時、曾て覚えない緊張した気持ちになった。