Classici giapponesi con furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate
一〇
「そういえば、そうですがねえ――」
と、ずんぐりした男は、詮方ないといった調子で、
「なるほど姐御が、一たんいい出して、引ッ込めるような人間じゃねえことは、だれよりもこのあッしが知っています。じゃあ、一ばん、今夜、これから、三斎屋敷に乗り込みますか?」
「いうまでもなく、この足で忍び込むつもりだが、お前は、このまま引ッ返して、隠家で、首尾を待っていなよ。つまらねえ思いつきで、小さい仕事に手を出して、ドジを踏まず、寝酒の支度でもしてお置きよ」
お初が、そう言うと、
「へえ? じゃあ、あッしは要らねえんで――」
と、男の手下は、不足顔。
「まあ、わたし一人がいいようだよ。相手はおめえのいう通り、ちっとばかし大物だ。大物狩りには、足手まといは困るからね」
「へ、あッしを、足手まといと、いいなさるんで――」
「いいえ、おめえも、相当なものさ。これが、どこぞ、商人の、土蔵でも掘るときならね。だが、武家屋敷を攻めるにゃあ、そのガニ股じゃあ、駆け引きがおぼつかないよ」
「どうも、手きびしいなあ。あッしはまた、いつかのやり損ないを今夜あ取りけえして、お讃めにあずかりてえと、思っていましたに――」