Classici giapponesi con furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate
毒蛇の巣
一
いうまでもなく、菊之丞一行中の、雪之丞の、天から授かったような美色、これまでの役者に見られなかった品の良さ、一挙手、一投足につきまとっている不思議な妖気――と、いったようなものが、この成功の八分を齎したのは、誰にも判っていた。
師匠菊之丞の得意は勿論、最初は、
――何しろ上方の、それも緞帳から成り上った器用役者、あざとくって、けれん沢山で見ちゃあいられねえ――
とか、
――ま、見たところは、美しいですが、とんと場違いで、近海の鯛に馴れた舌には、ちと頂けませんな。
とか、尤もらしい顔をして、蔭口を吐いていた、いわゆる、通人の連中も、いつとはなしに軟化してしまって、昨日の舌の根を、今日は、どう乾かしたものか、
――いやもう、かの役、至極絶妙、極上々吉、歌舞伎道、創まっての逸品とでも申しましょうか。
――あれの舞台をじっと見ているてえと、どうもおたげえに、江戸ッ子の泥ッくささが、小ッ恥かしくってならなくなるから妙だ。あれに付き合っている、座つきの役者たちは、みんなピチピチした連中なはずなんだが、あれと並ぶと、残念ながら、月とすッぽん――たまげやしたねえ。