Classici giapponesi con furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate
一〇
「わしの八卦、観相は、天地を見とおす――と、言いたいが、実はな、この老人も、中村座の初日が、気になって、のぞきにまいった――すると、あの一行の幕張りがあって、大分、そなたに執心しているように見えたゆえ――」
老人は、いくらか微笑して言って、
「いま俄かに、そなたが動き出したら、抜目のない三斎、何となく危さを感じて、他国者なぞ、身近く寄せるようなことはせなくなるぞ。まず、じっと怺えて、存分に彼等を艱ます策を立てねばならぬ」
「それは、わたくしも考えておりますものの、今宵、かの広海屋、長崎屋、二人を目の前に並べて見ましたゆえ、怺えかねて怺えかねて」
「ふうむ、それで、待ち伏せしようといたしたか? が、一思いに仕止められたら、彼等はこよない幸福者――なぜ、今しばし浮世に生じ置いて、心の苦痛を嘗めさせてやろうとはしないのじゃ?」
一〇
雪之丞が、うわべでは、うなずきながらも、心にはなお不承らしいのを、老いたる孤軒はなだめるように見て、
「わしはいつぞや、八幡境内で、油断のう進めとはいうたが、しかし暴虎馮河こそつつしむべきだ。第一、今も言う通り、今夜この二人を合せて討ったなら、物盗りとも見られまいし、誰かの目に、そなたの姿が映らぬとも限らぬ――十に八、九は、一座していたそなたに疑いが、かかるであろう。