Classici giapponesi con furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Leggi 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 344.083 caratteri · 673 schermate
二一
彼女みずから膂力があれば、法印のうしろからむしゃぶりついて肩先にも噛みつきたいと思ったようであったが、案外、雲助どもが、手足が利かず、たちまち敗亡して、
「い、てて! 畜生! くそ坊主! 覚えていろ!」
「やい! 今度あったら、生かしちゃあ、置かねえぞ!」
と、わめきながら、軒下に捨ててあったかごを拾って、いのちからがら逃げ去ったのを見ると、急に、阿諛追従のわらいで、薄気味わるく、歯の抜けた口ばたをゆがめるのだった。
「え、へ、へ、へ――まあ、法印さん、おまはんの強さというもなあ、うわさに聴いていたようなものじゃあないね――何とも、おどろき入りましたよ。あの、丑、為ときちゃあ、内藤新宿でも、狂犬のようにいやがられている連中、それを、何とまあ、二人一度に征討して、外へほッぽり出してしまったのだから、おまはんの、底ぢからは、程が知れないね――ところで、法印さん――」
と、茶碗を突きつけて、
「ま、息つぎに、一ぱいいかが?」
こやつ昔はいずれ、宿場でも叩いた上りか、年にも似合わぬ色ッぽい声でいって、銚子を取り上げる。
法印は突ッ立ったまま、手を振った。
「おらあ、酒はのまねえよ」